連載企画

しまねで暮らす
笑顔があふれる人を紹介します。

しまねびと

加藤 翔かとう しょうさん

若者が集う場を作りたい

隠岐の島町五箇地区にある民家のように見える店舗に入ると、カラフルでおしゃれなTシャツが所狭しと並んでいます。店舗を営むのは町に移住した加藤翔さん。「隠岐に若い人が集まる場所を作りたい」と、町内で初めてとなる古着店を開店しました。

Tシャツのプリントを手がける加藤さん

広島市内の服屋に勤務していた5年ほど前に、離島が好きだったことや妻が島根県出身だった縁から、隠岐の島町に旅行へ。自然の美しさやご飯のおいしさ、住民のおもてなしに触れる中で「この島って温かいな」と感じたと言います。帰りの船の中で同町が地域おこし協力隊を募集しているのを知り、その場で移住を決めました。
令和2年度に町の地域おこし協力隊員になり、布施地区の活性化に尽力。国指定名勝の隠岐布施海岸で住民とともに夏季限定の食堂を開いたり、地域の情報発信に取り組んだりする中で一層隠岐への愛着を深めていきました。
協力隊の任期満了後の令和5年春には念願の古着店を開店。「服が好きとか関係なく、若い人が楽しめる店を開きたかった」との思いで始めた店は開店から1年半がたち、地元の若者が集う憩いの場となりつつあります。
加藤さんは「来た人の心が豊かになってもらえたらうれしいし、今後も隠岐や島根の魅力を伝えていきたい」と笑顔で話しています。

 


加藤 翔かとう しょうさん

広島県出身。地元の大学卒業後に広島市内の服屋に就職。店ではトップクラスの営業成績だったが隠岐に魅せられて突然退職し、周囲を驚かせた。隠岐の島町で開店した古着店では1980~90年代のビンテージTシャツを販売するほか、プリント事業も行っている。