特集記事

由志園が行う雲海システム

DXの推進

コロナ禍で経営環境が悪化するなど、デジタル技術を用いた企業経営の変革が急務となっています。一方でデジタルに精通した人材を抱える企業は少なく、関心があっても導入に踏み切れない企業も多くあります。
県ではデジタル技術のアイデア創出やビジネスプランの育成、実証などの支援を行っています。

※デジタルトランスフォーメーション(DX)とはデータとデジタル技術を活用して、商品やサービス、業務そのものを変革すること。

ステージに応じてデジタル化を支援します

デジタル技術の導入段階は次の3つのステージに分類されます

環境整備段階
ステージ1
デジタル未導入・デジタル
技術による業務効率化

(デジタライゼーション)
〈事例〉
●クラウド導入による
業務のリモート化
●電子決済の導入による
レジ業務効率化

高付加価値創出段階
ステージ2
デジタル技術による
既存事業の利益率向上

(デジタライゼーション)
〈事例〉
●IoTを活用した
業務プロセス全体の効率化
●AIを活用した
機械故障予知メンテナンス

高付加価値創出段階
ステージ3
デジタル技術による
新ビジネス創出

(デジタルトランスフォーメーション)
〈事例〉
●ドローンを活用した
点検・検査サービス
●センサー、AIを活用した
スマート農業支援サービス

ステージに応じた支援

ステージ1〜2

  1. デジタル導入支援者による伴走支援
  2. デジタル技術の導入経費等に対して補助
  3. 体験・実証イベント、セミナーの開催
ステージ2〜3

  1. しまねソフト研究開発センター(ITOC)による伴走支援
  2. 新たなサービス開発や生産性の向上、売上拡大などを目的としたデジタル導入プランを実証する取組に対して助成
  3. ものづくり産業の生産性向上を図るため、県内企業のモデルとなる取組に対して助成
  4. ビジネスプラン創出・育成の場の提供

DXで新規ビジネス創出へ

パソコンでシステムを確認する門脇常務
パソコンでシステムを確認する門脇常務
松江市の日本庭園・由志園はコロナ禍による入園者減少が続く中、自社庭園での集客コンテンツだった幻想的な霧の演出「雲海システム」を県内外の施設に販売する事業に踏み切りました。有名ホテルなどで導入され、新たな収入源となっています。
雲海システムの販売は海外のチューリップ公園が観光集客にとどまらず、公園事業自体を外部へ売り込もうとする姿に着想を得ました。
令和2年に東京都の有名なホテルへの販売を皮切りに事業を開始。くしくもコロナ禍になったことがシステムの全自動化を加速させ、スタッフが由志園にいながら遠隔で県外施設での稼働状況などを確認できる仕組みを構築しました。
現在では京都府にある世界遺産のお寺など全国で10数件での販売実績があります。これまで見たことのない霧の絶景を各施設で演出し、高い評価を受けていると言います。
由志園の門脇竜也かどわき たつや常務は「最終的には雲海システムだけでなく、由志園全体を売り込むことを目指したい」と意気込んでいます。

問い合わせ先/島根県産業振興課 産業デジタル推進室 TEL 0852-22-5621